
大学を94年に卒業してから01年の引退まで,25カ国近く転戦や合宿で訪れることが出来た.そのおかげで陸上を通じての海外の友達や,自身独自の世界観というものを持つことが出来たと思う.しかしながら深く文化を感じたりする機会というのは少ないかもしれない.
若い頃の長期トレーニング場所といえば,アメリカがほとんどであった.多くの日本人が憧れ,目標とする選手も多い.私も現に強いアメリカに憧れ,それらが素晴らしいという風に思っていた事もあった.アメリカ選手は確かに速いそして強い.しかしながら,果たして日本人の身体的感覚や遺伝的要素,そして文化などから来るバックグラウンドと合うのか疑問のままであった.現役では最後の大舞台であったシドニーオリンピックの年,イギリスの400mH選手を見たとき,結構日本と同じコンセプトなのではないかと思った.技術やレースパターンなど洗練されていた.思わず声をかけどんな練習をしているか話をした.一番驚いたのは「日本人は何故,400mフラットは総体的に遅いが,400mHは何人も48秒台で毎年走れるのか?」といったリサーチ済みであった.すっかり意気投合したことから,一緒に練習する事になった.それが始まりであった.
たった3週間の滞在であったが,飾らない歓迎を受け,7年後の今に至る.